2012年作 題「雨降ーアフリー」F20号
(大山阿夫利山 潮音洞)
関東で初めて登った山。
雨降り山=阿夫利山。
名の通り、年中雨が降り、
山は湿気と霧に覆われている。
足元に蠢く蛭(ヒル)。空間に満ちた水の気。
龍神のすまう山として、
雨乞いの祈りを捧げてきたという。
そんな水の山で出逢った一本の木。
岩を呑み込みそびえ立っていた。
その岩につくられた祠。
祠からは、海の潮の音が
聴こえるという。
森の水が海へと流れ、空へ上り雨が降る。
肌で感じ取っていた昔の人々。
水の大切さ。森の大切さ。祀る心。
水の気に耳を澄ます。
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