2010年作 題「虚空蔵菩薩坐像」(コクウゾウボサツザゾウ) F30号
第34回新日美展出品作です。 お寺の灯りを想定して描いたので、明るい場所では かえって見にくかったと思います。写真にもうまく 写りませんでした。 「和ろうそく」 これなら深い色の仏像画も浮かびあがるだろうと 探していた私に偶然届いた日本画家さんからの手紙。 そこには「和ろうそく」に灯された日本画の写真と、 友人が「和ろうそく」の復興にたずさわっていると 書いてありました。 探していたろうそくでした。あまりにも偶然に ただただ驚きました。
「正徳芯和ろうそく」 なんともいえない淡い緑色に優しい木の実のような香り。 櫨(はぜ)の木から作られているそうです。 美しい螺旋を描くその芯に感動して探していました。 風があるようにまたたく炎は日本の美がつまっているように 思います。 伝統を守る力は素晴らしいです。 詳しくはこちらをご覧ください→ 松山櫨復活委員会
「虚空蔵菩薩」 丑年寅年生まれの人の守り本尊。私も寅年です。 十三仏の最後三十三回忌の本尊、明けの明星「金星」の 化身でもあります。 空海が室戸岬で虚空蔵求聞持法を修得した時に明星が 口に入ったという説話も残っています。 奈良東大寺の大仏は有名ですが、横に鎮座しているのは 虚空蔵菩薩です。 左写真です。大仏も大きいですがこちらも大きいです。
今住む東京からほど近い鎌倉に虚空蔵堂があります。 本尊の虚空蔵菩薩は故郷紹介でも登場している僧・行基 が彫ったものです。上記、奈良東大寺大仏を造る際にも 行基が全国の民衆を集めました。 故郷を離れても故郷の人物と会えるのは嬉しいですが、 ここまで歩いてきたのか!と驚いてしまいます。 東京にも行基が残したものが沢山あります。 お堂の前には「星の井」という井戸があります。 昼でも星が映るという伝説があり行基も徳川家康も覗いた という井戸ですが、今はフタがしてあり見られません。 残念。 本尊は源頼朝が秘仏中の秘仏として35年に一度しか 見れませんでしたが、今は年に3回も見られます。 (1月13・5月13・9月13) 小さなお堂ですが、前立本尊はなんと運慶作です。 興味のある方は観光の際に寄ってみて下さい。 地図