2013年作 題「タカミムスビ」ー葛城高天彦神社ー
M25号
奈良葛城高天彦(タカマヒコ)神社。
一帯には高天原の地名が残る。
高天原=日本神話に出てくる天空の名前。
祀られているのは高御産巣日神=
タカミムスビ。
タカミはカガミとも読み蛇を表すと。
巨大な杉の老木が押し迫る参道。
地元ではこの杉の老木には精霊が宿ると
云われてきたそう。
杉の木色と土色と霧が融け合い、天空の名に
相応しい場を創り出していた。
が、
足を踏み入れていいものか躊躇したほどの
この色は今はもうなく。
今は石が敷き詰められ、人工の階段ができている。
杉の老木の根の叫びが聞こえる・・・。
足に跳ね返らない土、舗装された歩きやすい道。
利便を求めた僅かな変化は積り重なる。
そのままの自然を感じられる場所は
未来に残るのでしょうか。
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